PROJECT/RESEARCH
飛騨市との関係人口に関する取組
都市共創デザイン研究室では、飛騨市と協働で関係人口に関する調査研究を行っています。
		関係人口とは、「居住人口」と「交流人口(いわゆる観光者)」の間に位置する概念で、地域活性化に資する人材として期待されています。しかし、現状の関係人口の概念は広く、中央省庁が期待している「地域の担い手」となりうる関係人口がどの程度存在するのか、どのように関係人口が深化していくのかについては、明らかになっていません。そのため、飛騨市における関係人口施策を対象として、関係人口に関わるステークホルダーへのヒアリングやアンケートを通じて、関係人口となるプロセス、事業に関わる人々の意識、地域住民の意識を分析にすることにより、関係人口やそれに関わる人々の特徴を明らかにすることを試みています。
		人口減少化の現在、将来的に地域の担い手不足が懸念される中で、「地域の担い手」となる関係人口を把握することは重要であり、今後の地域運営を考える上での新たな知見が得られることが期待できます。
飛騨市ファンクラブ会員を対象とした関わりへの意識調査
飛騨市ファンクラブにご登録いただいている皆様を対象にアンケート調査およびヒアリング調査を行いました。調査にご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。
		一部の結果につきましては飛騨市ファンクラブのチラシやHPでファンクラブ会員の皆様にはお知らせしましたが、より詳細な結果や学術的な分析結果につきましても皆様と共有させていただくこととなりました。
		
- 【調査の目的】
- ①関係人口を分類しその特徴、地域への影響を把握する
- ②関係人口が深化するプロセスを明らかにする
- ③関係人口を創出・深化させるための施策の在り方を検討する
- 【アンケート調査の概要】
- 調査日程 2022年8月~9月
- 調査対象 飛騨市ファンクラブ会員
- 配布方法 DMもしくはファンクラブメール
- 回収方法 インターネット(Google Formを利用)
- 回答数 1,170名
- 設問項目 1)基本属性,2)飛騨市ファンクラブについて,3)飛騨市での活動状況,4)飛騨への援助意識と活動の共有・拡散状況,5)飛騨市への愛着,6)現住地への愛着,7)生活満足度,8)生活充実感
- 【ヒアリング調査の概要】
- 調査日程 2022年12月~2023年3月
- 調査対象 飛騨市ファンクラブ会員
- 調査方法 対面またはオンラインでの半構造化インタビュー
- 協力者数 16名
- 質問項目 1)参加したことのあるファンクラブ活動,2)飛騨市との関わり始めた経緯,3)ファンクラブ活動に参加した経緯,4)活動参加への継続意向と理由
- 【調査結果】
- 飛騨市ファンクラブ調査結果~概要版~
- 飛騨市ファンクラブアンケート結果1~基礎分析偏~
- 飛騨市ファンクラブアンケート結果2~関係人口の特徴偏~
- 飛騨市ファンクラブアンケート結果3~関係人口の関係深化偏~
ヒダスケ!の“ヌシ”を対象とした関係人口との関わりと効果調査
飛騨市における関係人口施策のひとつである「ヒダスケ!」のプログラムの提供者(以下、ヌシ)を対象にアンケート調査およびヒアリング調査を実施しました。調査にご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。
		
- 【調査の目的】
- ①関係人口の受入実態の把握
- ②関係人口との関係深化するための要素を明らかにする
- ③関係人口事業の課題を明らかにする
- 【アンケート調査の概要】
- 調査日程 2023年11月~12月
- 調査対象 ヒダスケ!のヌシ
- 配布方法 ヒダスケ!事務局から直接配布
- 回収方法 紙面およびインターネット(Google Formを利用)
- 回答数/配布数 38/58
- 設問項目 1)基本属性,2)参加者の受入効果,3)個人や地域への参加者の受入効果,4)受入時の課題
- 【ヒアリング調査の概要】
- 調査日程 2023年12月
- 調査対象 アンケート回答者のうちヒアリング調査に協力可能と回答いただいたヌシ
- 調査方法 対面またはオンラインでの半構造化インタビュー
- 協力者数 16名(協力可能との回答は30名)
- 質問項目 1)アンケート回答結果の深堀,2)参加者受入までの出来事・意識,3)ヌシの継続理由
- 【調査結果】
- ヒダスケ!ヌシ調査結果
飛騨市民を対象とした関係人口との関わりと意識調査
飛騨市にお住いの方々を対象に、関係人口への意識と協働の可能性を探るためのアンケート調査を実施しました。調査にご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。
		
- 【調査の目的】
- ①関係人口の認知度の把握
- ②地域外人材の活用に対する意識の把握
- 【アンケート調査の概要】
- 調査日程 2024年3月
- 調査対象 飛騨市在住の方(無作為抽出,居住地域と年代で割付)
- 配布方法 調査案内の郵送
- 回収方法 紙面およびインターネット(Google Formを利用)
- 回答数/配布数 362/896
- 設問項目 1)基本属性,2)関係人口の認知度,3)関係人口・市外の人との関わり,4)地域との関わり
- 【調査結果】
- 飛騨市民の関係人口に対する意識調査結果
学術論文
		
- 関根仁美, 武田裕之, 加賀有津子(2024):地域事業者における関係人口活用の継続プロセスに関する研究 -岐阜県飛騨市での施策に着目して-, 日本都市計画学会都市計画論文集, 59(3), pp.698-705
- 関根仁美, 佐藤充希, 武田裕之, 加賀有津子(2024):地域との関係性による関係人口の分類と特徴 -岐阜県飛騨市における行政施策に着目して-, 日本建築学会計画系論文集, 89(825), pp.2125-2134
- Hitomi Sekine, Mitsuki Sato, Hiroyuki Takeda, Atsuko Kaga(2023):Elucidation of the Deepening Process of Associated Population : For Hida City Fan Club Members , Proceedings of 2023 International Conference of Asian-Pacific Planning Societies, pp.41-57
- 武田裕之, 関根仁美, 佐藤充希, 加賀有津子(2023):地域との関係性による関係人口の分類と特徴 -岐阜県飛騨市における行政施策に着目して-, 日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集, 21, pp.133-136
- 関根仁美(2025):関係人口と地域との関係構築に関する研究 -岐阜県飛騨市の関係人口創出・拡大事業を事例として-, 大阪大学博士論文